コラム

今振り返る、二重行政と衛生研究所

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5月4日現在、堺市の新型コロナウイルスに感染された市民の数は96名であり、うち58名の方が退院等されており、35名の方が今だ入院や宿泊・自宅療養となっております。また、残念ながらお亡くなりになられた方が3名いらっしゃいます。

厚生労働省は8日、新型コロナウイルスへの感染の有無を調べるPCR検査をめぐり、疑いのある人が保健所などの相談センターに相談する際の目安を改め、37.5度以上の発熱などを削除しました。

感染が疑われるにも関わらず、PCR検査を受けられないとの声が多く上がっていますが、堺市ではこれまで、PCR検査の実施にあたっては医師の判断により柔軟に対応を進めてきました。

その背景には、「堺市衛生研究所」の役割が大きいと私は感じています。

5月7日現在までで、堺市衛生研究所は1,101件の検査(内104件の陽性、997件の陰性)を実施してきました。

また、対応可能な範囲で、堺市民以外の検査も実施してきたことから、陽性件数と市民感染者数とに乖離があります。

政令指定都市堺の衛生研究の中核機関として大きな役割を果たしてくれていること、議員として頼もしく思います。

大阪では、「大阪府立公衆衛生研究所」と「大阪市立環境科学研究所」の衛生部門を統合し、「独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所」が2017年4月に誕生しました。

この統合の背景の一つには、大阪府市の「二重行政」であったと考えられます。

当時、大阪市会では、議員から「(大阪府市の)両研究所の役割は明確に分かれておりまして、二重行政というものではない」などの意見も出されました。

また、大阪市の分割廃止が今も進められようとしていますが、これに堺市も組み込み、堺市を2区に再編する構想があり、堺市議会でも大阪府市との二重行政が度々議題となりました。

2012年3月12日、私は大阪府市の研究所廃止の動きを受け、また痛ましいO-157学童集団下痢症を経験した堺の議員として、機先を制し、予算審査特別委員会健康福祉分科会で堺市衛生研究所を取り上げ、堺市から、二重行政ではないとの言質を得ました。

資料:平成24年度予算審査特別委員会

この議論により、堺市衛生研究所は今も日々市民のため、PCR検査の実施にあたってくれています。

私は断らない救急搬送体制の確立など、市民の命を守るのが行政の役割だと考えます。

引き続き、市民のみなさまの安全安心を守るため、力を尽くす決意です。

2020年5月9日
堺市議会議員
小堀 セイジ

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